Archive for the ‘法学メモ’ Category

国籍法改正の件

11 月 17th, 2008 by admin

日本国民たる父が認知するだけで子に国籍が与えられ得る件について,ネット上がずいぶん騒がしくなっていますね。

しかし,そのような状態は今年の6月4日付の最高裁判決が
「日本国民である父と日本国民でない母との間に出生し,父から出生後に認知された子は,父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得したという部分を除いた国籍法3条1項所定の要件が満たされるときは,同項に基づいて日本国籍を取得することが認められるというべきである。」
と判決したことにより既に発生していたのであり,今回の国籍法改正は判決に従って法改正をするだけです。
(なお,このような改正の経緯から,法案作成は法務省であり,巷間で噂されているような河野太郎氏によるものではありません。)

仮に,今回の法改正による生じる結果を懸念されるのであれば,法改正を阻止したとしても,日本国民たる父による認知によって日本国籍が認められるという状態に変化は生じないということを心にとめられた上で,その先のことを考えて行動されるというのが建設的でよいのではないかと思います。
たとえば,最高裁の判例を変更させるにはどうすればよいか,あるいは,最高裁の判例の論理にのりながら違憲の問題を生じず,かつ,日本国籍を「適切」(各人の信念において)な範囲に制限するにはどのような立法があり得るか,またそのような立法を実現するために何をするべきかなどが検討課題でしょう。
結果に差を生じない,目先の法改正だけをターゲットにするのは,目的との関係で的外れではないかと思います。

なお,今回の反対運動は仮装認知が容易になることを主たる根拠とされるもののようですが,そのような認知については,別途罰則が用意されているのですから,真実日本国民となるべき子の幸福(≒選択可能性)を考えれば,最高裁判所の取る立場に賛成すべきであると,個人的には考えています。

執行猶予中の再犯の場合の常套句

11 月 12th, 2008 by admin

奥村徹弁護士の見解より

しかも,被告人は,罪により,平成○年○月,執行猶予付の判決を受けており,自重自戒しなければならない立場にあったのに,生活態度を何ら改めようとしないまま,同判決からわずか○月で犯行に及んでいるのであって,前刑における執行猶予の機会付与が被告人の改善更生や再犯抑止に何の効果ももたらさなかったことは明らかで,被告人の法軽視の態度はこの点からも強い非難を免れない。

甲南大学の学生による痴漢でっち上げ事件の判決ですね。

起案で使うことがあるかどうかわかりませんが,記憶しておくようにしたいと思います。