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弁護士は登記申請代理業務を行いえる

9 月 14th, 2008 by admin

東京高判平成7年11月29日判決

「(1)明治二三年の裁判所構成法の制定により通常裁判所である区裁判所において、非訟事件として不動産登記及び商業登記が取り扱われることになり、一方、明治二六年の旧々弁護士法の制定により、それまで民事訴訟及び刑事訴訟に限られていた弁護士(代言人)の職務が、「弁護士ハ当事者ノ委任ヲ受ケ又ハ裁判所ノ命令ニ従ヒ通常裁判所ニ於テ法律ニ定メタル職務ヲ行フモノトス但シ特別法ニ因リ特別裁判所ニ於テ其職務ヲ行フコトヲ妨ケス」とされたこと、明治三一年の非訟事件手続法六条一項は、登記事務を含む非訟事件については、能力者であれば代理ができることとしながら、同条二項により、弁護士でない者が、その代理を営業として行うことを原則として禁止する旨を規定し、登記事務を含む非訟事件の代理は原則として弁護士のみが業として行なうことができることを明示していたにかかわらず、翌明治三二年の不動産登記法の制定直後に、もっぱら非弁護士である代書人の営業を保護するため、司法省民刑事局長第八〇三号回答により、同条同項の規定が登記申請の代理には適用されない運用が行われたこと、さらに、昭和八年の旧弁護士法の制定により、その第一条に、「弁護士ハ当事者其ノ他ノ関係人ノ委嘱又ハ官庁ノ選任ニ因リ訴訟ニ関スル行為其ノ他一般ノ法律事務ヲ行フコトヲ職務トス」との規定が置かれ、弁護士の職務は、それまで弁護士の職務として明定されていなかった裁判外の法律事務を含め、「一般ノ法律事務」に及ぶものであることが明示されたこと、現行の弁護士法は、その三条一項に、右沿革を踏まえたうえ、行政訴訟事件や行政庁に対する不服申立事件が加わったため、これに関する行為が弁護士の職務であることを明示するために、「弁護士は、当事者その他の関係人の依頼又は官公署の委嘱によって、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為その他一般の法律事務を行うことを職務とする。」と規定したこと、最高裁判所昭和四六年七月一四日大法廷判決(刑集二五巻五号六九〇頁)が述べるとおり、「弁護士は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とし、ひろく法律事務を行うことをその職務とするものであって、そのために弁護士法には厳格な資格要件が設けられ、かつ、その職務の誠実適正な遂行のため必要な規律に服すべきものとされるなど、諸般の措置が講ぜられている」ことに鑑みれば、右「一般の法律事務」とは、「ひろく法律事務」全般を指すことは明らかであり、法律事務の一分野に属する登記申請代理行為が、右「一般の法律事務」として弁護士の職務に含まれることもまた、明らかといわなければならない。
(2)このことと、司法書士の前身である代書人は、明治一九年の旧登記法の制定以来、業として実際に登記申請書の代書及び申請手続の代理を行ってきたとはいえ、あくまで代書がその本務とされ、登記申請の代理は代書業務の付随業務として事実上行われていたものであり、大正八年の司法代書人法によっても「裁判所に提出すべき書類の作成」として、登記申請書の作成が職務として認められたにすぎず、昭和四二年の司法書士法改正により初めて登記申請代理がその職務に含まれることが明文上是認されたことを考え合わせると、弁護士法が、同法制定後に制定された司法書士法一九条一項但し書の「他の法律」に当たることは明らかである。」